どこに相談すればいいか、もう迷わなくていい〜3つの窓口をつなぐ『こども家庭センター』と、連携という安心の仕組み

こども家庭センターの相談室へ、母子、多文化の親子、ベビーカーを押す祖父母が歩いて向かうイラスト 福祉×子育て
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このシリーズでは、子育ての中で「困った」と感じたときに頼れる場所を、子どもの年齢順に3つ紹介してきました。

最後のこの記事では、その3つがどうつながっているのか、そして「こども家庭センター」という新しい仕組みについてまとめます。

3つの窓口は、子どもの年齢に沿って並んでいます

あらためて、ここまでのシリーズを振り返ります。

時期窓口
妊娠期〜乳幼児期子ども家庭支援センター
未就学期児童発達支援センター
義務教育期教育支援センター

ただし、子ども家庭支援センターは乳幼児期だけの窓口ではありません。東京都では、18歳未満の子どもとその家庭に関する総合相談窓口として案内されています。名称や相談範囲は自治体によって異なることがあります。

それぞれの記事はこちらです。

▶ 妊娠・出産、寝られない、つらい、誰に相談すればいい?〜親のことも子のことも相談できる子ども家庭支援センター

▶ 何度言っても伝わらない、癇癪(かんしゃく)にイライラ、うちの子何か違う?〜『様子を見ましょう』の先にある児童発達支援センター

▶ なぜだか学校に行きたくない、朝になると不調になり、いつしか昼夜逆転生活に。休ませていいの?〜学校の外にある居場所『教育支援センター』

大事なのは、この3つは別々に独立した窓口ではなく、子どもの成長とともにバトンタッチされていく、ひとつながりの支援だということです。

「また最初から説明するの?」を減らすための仕組みです

子育ての困りごとで相談先を頼ると、窓口が変わるたびに、同じ経緯をゼロから説明し直さなければいけないことがあります。これは、話す側にとってかなりの負担です。

そこで、それぞれの窓口や機関は、相談者の意向や同意を尊重し、必要な範囲で情報を共有しながら連携することがあります。

ただし、連携していれば、同じことをまったく話さなくてよいわけではありません。それぞれの機関が、支援に必要なことを改めて確認する場合もあります。

それでも、窓口同士で必要な情報が引き継がれることで、最初から説明し直す負担を少し減らしたり、次の支援につながりやすくしたりすることが期待されています。

「情報が回っている」と聞くと、少し不安に感じる方もいるかもしれません。ですが、これは「知らないところで誰かが動いている」という話ではありません。相談者の意向や同意を大切にしながら、同じ説明を繰り返す負担を少しでも減らせるように、窓口同士が連携するための仕組みです。

こども家庭センターは、支援をまとめる新しい拠点です

こども家庭センターと妊産婦、保護者、子ども、地域の関係機関のつながりを示す図

2022年の児童福祉法改正にもとづき、2024年度から、多くの自治体で「こども家庭センター」という拠点の設置が進められています。

これは、これまで別々に置かれていた母子保健の窓口(子育て世代包括支援センターなど)と、児童福祉の窓口(子ども家庭総合支援拠点など)の機能を一体化し、妊産婦・乳幼児から子育て家庭まで、切れ目なく支援するための拠点です。

出典
母子保健機能及び児童福祉機能の一体的な運営を通じて、妊産婦及び乳幼児の健康の保持・増進に関する包括的な支援、こどもと子育て家庭(妊産婦を含む)の福祉に関する包括的な支援を、切れ目なく提供する。
こども家庭庁の資料より要約

対象は、妊娠期から18歳までの子どもとその家庭。支援が必要な家庭には、本人や家族と一緒に「サポートプラン」という支援の計画を作り、必要なサービスにつないでいきます。母子保健と児童福祉、両方の職員をまとめる「統括支援員」という役割の人が置かれるのも特徴です。

設置は2025年5月時点で全国の約7割の自治体まで進んでいて、2026年度中にすべての市区町村への設置が目指されています。一方で、人材の確保や既存組織の再編が難しいといった課題も報じられています。できたばかりの仕組みだからこそ、体制の進み具合には自治体差がある——というのが現在地です。既存の建物や人員を活かしながら整えている段階なので、「進んでいる/遅れている」を一概に言うことはできません。

この記事の1本目で触れた「子ども家庭支援センター」「児童発達支援センター」「教育支援センター」に加えて、名前が似ている機関をもう一度、簡単に整理しておきます。

名称ざっくり言うと
子ども家庭支援センター地域の身近な相談窓口(主に東京都内の名称)
こども家庭センター母子保健と児童福祉をまとめる、市区町村の新しい中核拠点
児童家庭支援センター児童相談所を補完する、より専門的な相談機関

窓口同士は、あなたを何度も迷わせないために体制を組んでいます

前回の記事で、就学のタイミングに合わせて、それまで関わってきた複数の機関が一堂に会し、引き継ぎを行うケースを紹介しました。子どもの支援と、親への支援をセットで考えながら、担当が変わっても支援が途切れないようにする——これが連携の実際の姿です。

そして、この「バトンの結び目」の役割を担うのが、次第にこども家庭センターになっていきます。支援サービスのコーディネート——つまり、どの機関がどう関わるかの交通整理をして、支援が途切れないように調整するのが仕事のひとつです。

だから、どの窓口からでも大丈夫です

「これは子ども家庭支援センターの話? それとも児童発達支援センター?」と迷う必要はありません。窓口同士がつながっているので、今、一番相談しやすいと感じる場所から入れば十分です。

完璧な窓口を選ぶ必要はなく、まずは近くの窓口、話しやすそうな窓口に一歩踏み出してもらえたらと思います。

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▶ 保育園に入れなかったときに確認したい、預け先と子育て支援の選択肢

まとめ——シリーズを通して伝えたかったこと

このシリーズで一貫して伝えたかったのは、「知っていさえすれば、どうにかできたかも」という家庭を増やしたいということです。

子ども家庭支援センターも、児童発達支援センターも、教育支援センターも、こども家庭センターも、どれも「困った家庭のための特別な場所」ではなく、誰にでも開かれた、子育ての相談先です。

あなたの町にも、名前は違っても、きっと同じ役割の場所があります。まずは、ひとつ知っているだけで十分です。

参考・出典
・こども家庭庁「令和4年6月に成立した改正児童福祉法について」
・東京すくすく(東京新聞)「こども家庭センターとは」

制度は自治体によって運用が異なり、改定されることもあります。注意深くまとめていますが、誤りがあれば都度修正します。実際の利用にあたっては、お住まいの市区町村の窓口など関係機関にご確認いただけますと安心です。

※この記事は、夫婦の現場経験をもとに書いています。

ゆるきりん🦒

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