相談支援事業所とは?計画相談とセルフプランの違い〜サービス等利用計画は誰が作る?

相談支援専門員が家族と利用計画について話し合うイラスト 福祉×子育て
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障害福祉サービスを使おうとすると、「相談支援事業所」「計画相談」「セルフプラン」といった言葉が出てきます。

さらに、「指定特定相談支援事業者」「指定障害児相談支援事業者」という、聞いただけでは違いが分かりにくい名前もあります。

私もこれまで、「相談支援センター」とまとめて呼ぶことがありました。

セルフプランは聞いたことがあっても、それ以外の計画を何と呼び、誰が作るのかまでは、はっきり区別していませんでした。

先に結論を書くと、相談支援事業所は、障害福祉サービスを使う前の相談や計画作りと、使い始めた後の見直しを支えるところです。

この記事では、相談支援事業所のうち、主に「計画相談支援」や「障害児相談支援」を行う事業所について説明します。

この記事で大切なのは、次の3点です。

  • 相談支援事業所と作る場合は、相談支援専門員が利用計画を作ります
  • セルフプランは、本人・家族・支援者などが作る計画案です
  • どの計画になるかは、年齢だけでなく、利用するサービスの種類で変わります

名称をすべて覚える必要はありません。

「誰と計画を作り、利用後は誰と見直すのか」を中心に、一つずつ整理します。

相談支援センターは施設名の場合があり、計画を作れるかは「指定」で確認します

まず、「相談支援センター」と「相談支援事業所」を、とても簡単に分けます。

  • 相談支援センター:地域の窓口や法人が使っている施設名・窓口名の場合があります
  • 相談支援事業所:相談支援を行う事業所を広く指す言葉です

つまり、「センター」は看板の名前、「事業所」は行っている仕事を見る言葉と考えると、少し分かりやすくなります。

ただし、「相談支援センター」という名前の施設が、指定を受けた相談支援事業所として利用計画を作っていることもあります。

反対に、相談を受ける窓口であっても、希望する利用計画には対応していない場合があります。

なお、「基幹相談支援センター」は、地域の相談支援体制の中核として、法律に位置づけられた機関です。

地域や法人が施設名として使う「相談支援センター」とは、分けて考える必要があります。

名前だけで判断せず、次のように確認するのが確実です。

障害福祉サービスの利用計画を作ってもらえますか。

子どもの児童発達支援や放課後等デイサービスであれば、次のように添えると伝わりやすくなります。

障害児通所支援の計画に対応していますか。

相談支援事業所は、利用前の整理と利用後の見直しを支えます

相談支援事業所の役割は、書類を一枚作ることだけではありません。

サービスを使う前には、本人や家族の話を聞き、たとえば次のようなことを整理します。

  • 今、生活のどこで困っているのか
  • 本人はどのような生活を望んでいるのか
  • 家族は何に負担を感じているのか
  • どのようなサービスが地域にあるのか
  • 医療、教育、福祉などをどうつなぐのか

その内容をもとに、相談支援専門員が利用計画の案を作ります。

市区町村がその案などを踏まえて支給決定をした後は、サービス事業所と調整し、実際の利用に合わせた計画を作ります。

利用開始後も、決められた時期に状況を確認し、必要に応じて計画や連携を見直します。

相談支援事業所は、ざっくり言えば、利用前の交通整理と、利用後の振り返りを一緒に行うところです。

高齢者分野のケアマネジャーに近い部分があります

私が見聞きしてきた範囲では、相談支援専門員は本人や家族のところへ足を運び、話を聞き、関係する事業所や機関と調整していました。

計画を作るだけではなく、本人や家族と関係機関の間をつないでいく様子を見て、「障害分野のプロだな」と感じていました。

高齢者分野でいうケアマネジャーを思い浮かべると、少し近いかもしれません。

どちらも、本人や家族の状況を整理し、利用計画を作り、関係する事業所と調整し、利用後も状況を確認します。

ただし、対象となる制度やサービス、資格、作る計画は異なるため、まったく同じ仕事というわけではありません。

相談支援事業所が、困りごとの整理、利用計画、関係先との調整、利用後の見直しに関わる流れ

「指定特定」と「指定障害児」は、利用するサービスで分かれます

「指定特定相談支援事業者」と「指定障害児相談支援事業者」。

名前を見ただけで違いが分かる方は、かなり少ないのではないかと思います。

ここでいう「指定」は、市区町村から、その相談支援の仕事を行う事業者として指定を受けているという意味です。

「指定特定」と「指定障害児」は、本人が大人か子どもかだけでなく、利用するサービスの制度によって分かれます。

事業者の種類主に扱うサービス作る計画
指定特定相談支援事業者居宅介護、短期入所、就労支援などの障害福祉サービスサービス等利用計画
指定障害児相談支援事業者児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などの障害児通所支援障害児支援利用計画

子どもでも、居宅介護や短期入所などの障害福祉サービスを利用する場合は、「指定特定相談支援事業者」がサービス等利用計画を作ることがあります。

一方、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援では、「指定障害児相談支援事業者」が障害児支援利用計画を作ります。

両方の指定を受けている事業所もあります。

そのため、「18歳未満は障害児相談、18歳以上は特定相談」とだけ覚えると、実際の制度とずれることがあります。

放課後等デイサービスは原則として18歳未満が対象ですが、継続利用が福祉上必要と認められ、特例により障害児通所支援として利用する場合があります。

この場合は18歳以降も、障害児支援利用計画の扱いになります。

名称よりも、使いたいサービスに対応する指定があるかを確認するほうが分かりやすいです。

事業所の計画とセルフプランは、作る人と利用後の支援が違います

「サービス利用計画」という言い方を耳にすることがありますが、制度上の正式名称は「サービス等利用計画」です。

似た名称を、作る人で整理すると次のようになります。

計画誰が作るか関係するサービス
サービス等利用計画指定特定相談支援事業所の相談支援専門員障害福祉サービス
障害児支援利用計画指定障害児相談支援事業所の相談支援専門員障害児通所支援
セルフプラン本人・家族・支援者など上の計画案に代えて市区町村へ提出

計画には、サービスを使う前の「計画案」と、支給決定後に担当者との調整を反映した「計画」があります。

事業所が作る場合、相談支援専門員が生活全体を見ながら、本人や家族の希望、課題、サービスの種類や量、目標などを整理します。

サービス事業所との連絡調整や、利用後のモニタリングまで含まれるところが、セルフプランとの大きな違いです。

私も、セルフプランと、事業所が作る計画があることは知っていました。

ただ、事業所が作る計画の正式名称までは区別していませんでした。

相談支援の利用計画と、各サービス事業所の計画は別のものです

相談支援専門員が作る計画と、放課後等デイサービスや就労支援事業所など、各サービス事業所が作る計画は別のものです。

相談支援専門員の計画は、生活全体と複数のサービスを見渡します。

各サービス事業所の計画は、自分たちの事業所でどのような支援を行うかを具体化するものです。

たとえば、放課後等デイサービスでは、児童発達支援管理責任者が「放課後等デイサービス計画」を作ります。

サービスごとに正式名称は異なりますが、この記事では、こうした計画を分かりやすく「個別支援計画」とまとめて表します。

たとえば、相談支援専門員の計画が「暮らし全体の地図」なら、個別支援計画は「それぞれの事業所で進む道」と考えると、少し分かりやすいかもしれません。

セルフプランでは、相談支援専門員によるモニタリングは行われません

セルフプランは、指定特定相談支援事業者や指定障害児相談支援事業者が作る計画案に代えて、市区町村へ提出するものです。

作成者は本人や家族に限らず、支援者などが手伝うことも想定されています。

ただし、市区町村で支給決定を担当する職員が作るものではないと、国のQ&Aでは整理されています。

セルフプランを選ぶのは、本人が希望する場合や、身近な地域に対応できる相談支援事業者がいない場合などです。

国は、本人が希望していないのに、市区町村が安易にセルフプランへ誘導することは慎むべきだとしています。

さらに、相談支援事業者が見つからず、やむを得ず作るものを「のぞまないセルフプラン」とし、その解消に向けた相談支援体制の確保を求めています。

セルフプランでは、計画相談としての事業所間の調整や、相談支援専門員による定期的なモニタリングは行われません。

一方で、放課後等デイサービス事業所などが、自分たちのサービス計画を作成し、評価・見直しを行う仕組みまでなくなるわけではありません。

セルフプランで利用している途中でも、相談支援専門員による計画相談を希望するときは、市区町村へ相談できます。

計画相談を利用し始める時期や手続きは、自治体によって異なることがあります。

「一度セルフプランにしたら、ずっと自分たちだけで作らなければならない」と決まっているわけではないため、市区町村へ確認できます。

モニタリングは「使ってみてどうだったか」を一緒に確かめます

モニタリングは、計画を作った後の「使ってみてどうだったか」を確かめる仕組みです。

たとえば、次のようなことを確認します。

  • サービスは計画どおりに利用できているか
  • 本人や家族の生活に合っているか
  • 困りごとや希望に変化はないか
  • サービスの種類や量を変える必要はないか
  • 関係する事業所との調整が必要か

家族と関係事業所が集まって振り返る場面もあります。

ただし、モニタリングは、毎回全員が集まる会議だけを指すわけではありません。

相談支援専門員が本人や家族と面接し、関係する事業所とも連絡を取りながら、計画の実施状況を継続的に確認する一連の支援です。

必要があれば、計画の変更、事業所との連絡調整、市区町村への変更申請の案内などにつなげます。

モニタリングの時期や頻度は、利用するサービスや本人の状況などを踏まえ、市区町村が個別に決めます。

全国一律に「必ず何か月に一度」と決まるわけではありません。

相談支援事業所と作る計画とセルフプランの違い。相談支援事業所と作る場合は関係先との調整とモニタリングがあり、セルフプランでは計画相談としては行われない

計画相談の自己負担はありませんが、実際のサービス利用料とは別です

相談支援専門員による計画相談支援・障害児相談支援には、利用者の自己負担はありません。

市区町村から法定の給付費が事業所へ支払われる仕組みです。

ただし、事業所の通常の対応地域を越えて訪問してもらう場合など、交通費の実費がかかることがあります。

また、これは「利用計画の作成やモニタリング」の費用の話です。

放課後等デイサービス、居宅介護、短期入所など、実際に利用するサービスの利用者負担とは別に考える必要があります。

「計画相談は自己負担なし」と「障害福祉サービスがすべて無料」は、同じ意味ではありません。

事業所が見つからないときは、市区町村の障害福祉窓口へ相談できます

相談支援事業所は、利用する方が契約先を選ぶ形になります。

ただ、空きがない、対象地域が違う、子どもの計画には対応していないなど、すぐに見つからないことがあります。

その場合は、まず市区町村の障害福祉担当窓口へ、次のように伝えられます。

障害福祉サービスの利用計画を作ってくれる相談支援事業所を探しています。対応できる事業所や空き状況を教えてもらえますか。

市区町村によって、担当課の名称、事業所一覧の出し方、空き状況の把握方法は異なります。

「相談支援センター」「相談支援事業所」「セルフプラン」のどれを選ぶべきか分からない段階でも、そのまま相談してよいと思います。

最初から制度名を正しく言える必要はありません。

まとめ〜誰と計画を作り、誰と見直すかが分かれば動きやすくなります

最後に、今回の内容を短くまとめます。

  • 相談支援事業所は、利用前の整理・計画作成と、利用後の見直しを支えます
  • 「相談支援センター」は施設名の場合があり、名前だけでは計画を作れるか分かりません
  • 障害福祉サービスの計画は「サービス等利用計画」です
  • 障害児通所支援の計画は「障害児支援利用計画」です
  • 相談支援事業所と作る場合は相談支援専門員、セルフプランは本人・家族・支援者などが作ります
  • モニタリングでは、利用後の状況を確認し、必要に応じて計画や連携を見直します
  • 事業所が見つからないときは、市区町村の障害福祉担当窓口へ相談できます

福祉の仕事に長く関わっていても、担当する分野が違えば、正式名称まで区別せずに使っている言葉があります。

制度を全部覚えることより、困ったときに「誰と計画を作り、誰と見直せるのか」が分かることのほうが、より良い方法を考えるきっかけになるのではないかと思います。

※この記事は、2026年8月時点の厚生労働省、こども家庭庁、法令および自治体の公式資料を確認し、福祉現場で感じた疑問をもとに整理しています。制度の手続き、担当窓口、事業所の空き状況、セルフプランの様式や切り替え時期は自治体によって異なることがあります。実際に利用するときは、お住まいの市区町村の最新情報もご確認ください。

ゆるきりん🦒

参考・出典

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