小学校に入ったころの私は、いわゆるガキ大将でした。
小柄なのに、なぜか万能感だけはあって。
「俺について来い」と、運動も勉強もそれなりにできて、まわりを引っぱるような子どもだったと思います。
でも、その万能感は、歳を重ねるごとに少しずつ薄れていきました。
すごい人にも、嫌な人にも、いろんな人に出会うからです。
そうやって、まわりが見えるようになっていきました。
ただ、ひとつだけ変わらなかったものがあります。
自分で自分を認められる力です。
それはたぶん、身近な誰かに、何かのかたちで認めてもらえてきたからです。
私が仕事で出会ってきた子どもたちの中には、しんどい環境で育った子も、少なくありませんでした。
それでも、たった一人でも「あなたのことを見ているよ」という存在がいると、人は少しずつ変わっていくことがあるのかなと思っています。
親でも、先生でも、近所の人でも、友達でも、旅先で出会った人でも、誰でもいいんです。
自分で自分を認められる力は、人との出会いの中で育っていくことがある。
やりたいことが、何もなかった
高校を出たあと、私は浪人することになりました。
しかも、2年間。(されど、2年間。)
当時の私には、「やりたいこと」が何もありませんでした。
何になりたいのかも、何を学びたいのかも、わからない。
目標がないまま頑張るのは、本当にしんどいことです。
身が入らない。
それでも、勉強だけはやめませんでした。
何かに備えるように。
そのころ、よく聴いていた曲があります。
Mr.Childrenの「ALIVE」です。
夢がなくても、希望がなくても、いつかどこかで光は射すだろう・・・
そんな歌でした。
光を探しながら、やみくもに頑張っていた。
あのころの私を、今でもよく思い出します。
世界史の先生が、見方を変えてくれた
予備校には、いろんな先生がいました。
その中で、世界史の先生(諸岡先生という方です)に一番影響を受けました。
受験テクニックではなく、世界史そのものを教えてくれる人だったのです。
大きな流れから見て、それから細かいところを見ていく。
政府やニュースが言うことが、必ずしも正しいわけではない。
それは、ものごとの一側面にすぎない。
そういう見方を、その先生から教わりました。
この視点は、その後の私の仕事を、ずっと支えてくれることになります。
目の前の課題には、必ず背景がある。
情報は、鵜呑みにしない。
今思えば、「浪人生」という社会から見ると何にも所属せず宙ぶらりんの中途半端な時期に、その後の人生に大きな影響と変化をもたらしてくれていた方だったと思います。
浪人の2年間で、生き方のかけらを見つけた
迷い続けた2年間でしたが、ひとつだけ見つけたものがありました。
それは、こんな思いです。
子どもには、可能性がある。
その芽が、開くか開かないかはわからない。
でも、その芽が開く可能性を、少しでも広げられる存在になりたい。
やりたいことが何もなかった私が、ようやく見つけた生き方のかけらでした。
自分が社会的に何にも属さない時期を過ごしたからこそ、たどり着けた気がしています。
道は、偶然から開けた
このように書いてくると「だから福祉の道に進んだ」と続きそうなものですが、違います。
きっかけは、親戚の伯母の一言でした。
「近くに、そういう大学があるわよ」
その言葉で願書を探しに行き、ギリギリ間に合って。
最初は、試験慣れのつもりで受けただけでした。
福祉を選んだのも、父の見立てがあってのことです。
「お前は、競争社会には向いていない」
バリバリのサラリーマンだった父に、そう言われたのです。笑
そんな偶然の連なりから、私は福祉の世界に入りました。
そして気づけば、20年近くこの仕事を続けています。
人生って、案外そんなものなのかもしれません。
志して道を拓くのか、なんとなく道をかき分けて進んでいたら志になるのか。笑
悩んでいる方・中高生のみなさんへ、伝えたいこと
今、若い世代で自ら命を絶つ人が増えています。
全体の自殺者数は減ってきているなかで、子どもだけが増え続けています。
背景には、学校での人間関係や進路の悩み、家庭の問題など、さまざまな要因が重なっているとされています。
そのような中で、伝えたいことがあります。
そんなに早く、自分に見切りをつけないでほしい。
先が思いやられる、未来がないと感じていらっしゃる方もいるのではないかと想像します。
でも、人生100年時代とすると、まだ先に80年ほどあるんです。
まだ、5分の1にも届いていないくらいの時期です。
いくらでも、軌道修正ができます。
悩みの渦中にいると、そうはなかなか思いにくいのはわかります。
でも、歳を重ねるほど、年齢だけで就職の機会が狭まる現実もあったりします・・・。
なんてこった・・・
若いということ、それだけでどれだけの可能性があるか。
歳をとってみると、よくわかります。
やりたいことが何もなくたって、いいんです。
回り道に見える時間が、あとから一番大切な時間になることもあります。
急がば回れ、という言葉があります。
無駄なことや時間なんて、ひとつもない。
それだけは、言い切れます。
浪人を2年したって、まあまあ、それなりにやっています、生きています。
光は、やがてどこかで射すことがあるみたいです。
その日まで、ゆっくりでいいので、歩き続けてもらえたらと考えています。
今日こそ、今日こそ。それでいいと思います。
その「今日が人生で一番若い日」です。
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※この記事は、夫婦の現場経験をもとに書いています。
ゆるきりん🦒
