こども誰でも通園制度は、2026年度から新たな給付として全国の自治体で始まった制度です。
保育所などに通っていない0歳6か月から満3歳未満のこどもが、保護者の就労状況にかかわらず、保育所などを一定時間利用できます。(子を育てる親の強い味方になってくれるかなと思います!)
ただし、利用できる施設や時間、料金、申請方法などは、自治体や施設によって異なることがあります。
制度について調べると、「一般型・余裕活用型」という、どう違うのか分かりにくい説明も出てきます。
この記事では、最初に結論を知りたい方のために、前半で対象・料金・利用前の注意点をまとめます。
後半では、
- 利用を始めるまでの流れ
- 一般型の詳しい内容
- 余裕活用型の詳しい内容
- 施設を選ぶときに確認したいこと
を、公式資料をもとにもう少し詳しく整理します。
まずは前半で、自分の家庭に関係がありそうかを確認してみてください。
なお、私自身は、この制度を利用した経験はありません。
公式資料から確認できることと、実際の利用のしやすさや手続きの感覚は分けて考えながら、2026年7月25日時点の情報をまとめています。
自分の家庭が対象になるか確認してみましょう
制度の主な対象は、次の条件に当てはまるこどもです。
- 0歳6か月から満3歳未満
- 保育所、認定こども園、幼稚園などに通っていない
- 保護者が住んでいる市区町村から利用認定を受けている
保護者が働いているかどうかは、利用条件ではありません。
少し分かりにくいのが、すでに別の施設を利用している場合です。
認可外保育施設に通っているこどもは、ほかの条件を満たせば対象になります。(*少し意外ですが、国の手引では対象と明記されています。)
一方で、企業主導型保育施設に通っているこどもは対象外とされています。
現在利用している施設がある方は、制度の対象になるか、市区町村へ確認すると安心です。
一般型と余裕活用型の違いは施設の「受け入れ方」です
一般型と余裕活用型は、利用するこどもや家庭を分ける区分ではありません。
違うのは、施設がどのような定員枠でこどもを受け入れるかです。

| 比較するところ | 一般型 | 余裕活用型 |
|---|---|---|
| 受け入れ方 | 制度のための定員を別に設ける | 保育所などの空き定員を活用する |
| こどもの過ごし方 | 在園児と一緒、専用室、独立施設など | 主に同じ年齢の在園児と同じクラス |
| 受け入れ枠 | 制度用の定員として設ける | 在園児の人数に応じて増減することがある |
| 利用方法 | 継続利用、柔軟な利用、両方の組み合わせ | 継続利用、柔軟な利用、両方の組み合わせ |
| 先に確認したいこと | 在園児と一緒に過ごすか、専用室か | 空き定員が変わった場合の対応 |
一般型には、在園児と一緒に過ごす方法や、専用室で過ごす方法などがあります。
そのため、一般型だから必ず別室で過ごすわけではありません。
また、
- 一般型は定期利用
- 余裕活用型は単発利用
と決まっているわけでもありません。
同じ施設を継続的に利用する方法、必要なときに柔軟に利用する方法、両方を組み合わせる方法が想定されています。
利用前に知っておきたい5つのポイント
1.利用できる時間は原則として月10時間までです
制度上の利用可能時間は、こども一人につき原則として月10時間までです。
ただし、2026年度と2027年度には経過措置があります。
月10時間分の受け入れ体制を確保することが難しい市町村は、条例により、月3時間以上10時間未満の範囲で利用可能時間を設定できます。
そのため、2026年度と2027年度は、全国どこでも必ず月10時間使えるとは限りません。
一方で、市町村が独自に費用を負担し、月10時間を超えて利用できる仕組みを設けることもできます。
利用できる時間は、お住まいの自治体へ確認してください。
2.利用料は1時間300円程度が国の標準です
国は、利用料の標準を1時間当たり300円程度としています。
ただし、300円は全国一律の料金ではありません。
実際の利用料は事業所が定め、保護者へ説明したうえで、同意を得て徴収します。
食事代、おやつ代、教材費などの実費が、別に必要になることもあります。
一定の要件に該当する家庭には、利用料の負担を軽減する仕組みもあります。
実際の料金や負担軽減の内容は、自治体や施設へ確認すると安心です。
3.初めて利用する施設では事前面談があります
初めて利用する施設では、利用前に保護者と施設による事前面談があります。
こどもも面談に同席することが基本です。
面談では、施設の利用方法や料金、キャンセルの扱いのほか、
- こどもの健康状態
- アレルギー
- 食事や睡眠
- 排せつの状況
- 好きなことや苦手なこと
- 家庭で大切にしていること
などを確認します。
事前面談は、保護者から情報を提出するだけの場ではありません。
こどもや保護者が施設の場所や職員に触れ、安心して利用を始めるための関係づくりという意味もあるため、対面での実施が基本です。
里帰り出産などで対面が難しい場合には、オンラインで行えることもあります。
4.当日キャンセルは利用時間から引かれることがあります
キャンセルの扱いは、市町村や施設が定めるキャンセルポリシーによって異なります。
制度上、利用当日の午前0時以降のキャンセルを給付の対象として扱う場合には、予約していた時間を利用したものとみなし、残りの利用可能時間から差し引きます。
施設側の都合でキャンセルになった場合は、利用可能時間を減らす必要はありません。
キャンセル料を徴収するかどうかについても、市町村や施設のルールによって異なります。
予約前に、
- いつから当日キャンセルになるのか
- 利用時間が差し引かれるのか
- キャンセル料がかかるのか
を確認しておくと安心です。
5.一般型・余裕活用型だけで利用先を決めなくてもよいと思います
一般型と余裕活用型は、施設側の受け入れ方法を示す区分です。
実際に施設を選ぶときには、区分だけでなく、
- こどもがどの部屋で過ごすのか
- 在園児と一緒に過ごすのか
- 利用できる曜日や時間
- 継続して予約できるのか
- 食事やおやつの提供があるのか
- 親子通園ができるのか
- 慣れるまでどのように支えてもらえるのか
なども確認してみてください。
公式の手引でも、実施方法のほかに、利用パターン、食事、親子通園、特別な支援が必要な場合の対応などが、施設の検討項目として挙げられています。
ここから制度の仕組みをもう少し詳しく見ていきます
ここまで、制度の対象や一般型と余裕活用型の違い、利用前に知っておきたいポイントを先に整理しました。
ここからは、
- 利用開始までにどのような手続きがあるのか
- 一般型にはどのような実施方法があるのか
- 余裕活用型では、こどもがどのように過ごすのか
を、もう少し詳しく見ていきます。
利用開始までは大きく4つの段階があります
利用までの流れは、大きく次の4段階に分けられます。
1.市区町村へ利用申請をします
最初に、お住まいの市区町村が定める方法で利用申請をします。
利用認定を受けたあと、つうえんポータルなどに、こどもの情報を登録します。
申請方法や必要書類、受付時期は自治体によって異なります。
2.利用したい施設を探します
利用できる施設の中から、希望する施設を探します。
つうえんポータルでは、地域や条件から施設を検索できます。
自治体が独自に実施施設の一覧を案内している場合もあります。
3.施設と事前面談をします
初めて利用する施設では、利用前に事前面談を行います。
面談では、施設の利用方法などの説明を受けるとともに、こどもの特徴や保護者の希望を共有します。
初めて利用する施設ごとに面談が必要です。
4.利用日を予約して通園します
事前面談が終わったら、利用できる日時を確認して予約します。
つうえんポータルでは、スマートフォンなどから施設の検索、利用予約、キャンセルができます。
ただし、
- いつから予約できるのか
- 毎月決まった日に予約するのか
- 同じ施設を継続して利用できるのか
- 単発で利用できるのか
などは、自治体や施設によって異なります。
一般型には3つの実施方法があります
一般型は、こども誰でも通園制度のための定員を、通常の在園児とは別に設ける方法です。
一般型の中でも、実施方法は次の3つに分かれています。
在園児と一緒に過ごす「在園児合同実施」
制度を利用するこどもが、普段から保育所などに通っているこどもたちと一緒に過ごす方法です。
受け入れ時には専用室を使い、日中の生活や活動は在園児と一緒に行う施設もあります。
専用室を設けず、利用中のすべての時間を在園児と一緒に過ごす場合もあります。
制度を利用するこども同士で過ごす「専用室独立実施」
保育所などの中に専用室を設け、基本的には、こども誰でも通園制度を利用するこども同士で過ごす方法です。
活動内容や時間帯によっては、在園児と一緒に遊んだり、園庭や保育室を利用したりすることもあります。
制度だけを行う「独立施設実施」
保育所などに併設せず、こども誰でも通園制度だけを実施する施設で受け入れる方法です。
一般型と聞くと、「保育所の中に専用のクラスがある」というイメージを持つかもしれません。
実際には、在園児と一緒に過ごす施設もあれば、専用室を中心に過ごす施設や、制度だけを行う独立施設もあります。
一般型かどうかだけでなく、一般型の中のどの方法で実施しているのかまで確認すると、こどもの過ごし方をイメージしやすくなります。
余裕活用型では、主に在園児と同じクラスで過ごします
余裕活用型は、保育所や認定こども園などで定員に空きがある場合に、その枠を活用してこどもを受け入れる方法です。
例えば、1歳児クラスの定員を下回っている場合に、空いている人数分を、こども誰でも通園制度の受け入れ枠として活用します。
利用するこどもは、主に同じ年齢の在園児と同じクラスで過ごし、そのクラスの保育者が受け入れることが基本です。
ただし、在園児の人数が増えると、制度の受け入れ枠も増減する可能性があります。
公式の手引では、定員が埋まったことで制度自体を利用できなくならないように、
- 年間を通じて空きが見込まれる施設で実施する
- 必要に応じてほかの施設につなぐ
- 受け入れ枠が変わる可能性を保護者へ事前に説明する
といった配慮が望ましいとされています。
余裕活用型の施設を継続的に利用したい場合は、
在園児が増えた場合、利用はどうなりますか?
と確認しておくと、利用の見通しを立てやすくなると思います。
施設を見つけたら確認しておきたいこと
一般型と余裕活用型の違いだけでは、実際の利用方法までは分かりません。
施設を探すときには、次のようなことも聞いてみるとよいと思います。
| 確認したいこと | 質問の例 |
|---|---|
| こどもの過ごし方 | 利用中は、どの部屋で誰と過ごしますか? |
| 慣れるまでの対応 | 最初は短い時間や親子通園から始められますか? |
| 予約 | 継続して同じ曜日に利用できますか? |
| 受け入れ枠 | 年度途中で利用枠が変わることはありますか? |
| 食事 | 食事やおやつは出ますか?実費はいくらですか? |
| キャンセル | いつから利用時間が差し引かれますか? |
| 個別の配慮 | アレルギーや発達面について相談できますか? |
一般型だから利用しやすい、余裕活用型だから利用しにくいと、一律に決められるものではありません。
こどもの様子や家庭の希望と、施設の実施方法が合っているかを確認することが大切だと思います。
この制度の中心にあるのは「こどもの育ち」です
こども誰でも通園制度は、保護者が働いている家庭だけを対象にした制度ではありません。
こども家庭庁は、
- すべてのこどもの育ちを応援すること
- こどもの良質な成育環境を整えること
- 働き方や生活スタイルにかかわらず、すべての子育て家庭への支援を強化すること
を制度の目的として示しています。
家庭とは異なる場所で、
- 家族以外の大人と関わる
- 同じくらいの年齢のこどもと触れ合う
- 家庭にはない遊びや環境を経験する
といった機会を得ることも、この制度が大切にしている部分です。
もちろん、こどもが施設で過ごしている間は、保護者が少し休んだり、用事を済ませたりする時間にもなると思います。
ただ、単に「保護者の代わりに一時的に預かる」ということだけではありません。
保育所などに通っていないこどもにも、家庭以外の人や環境と関わる機会を届ける制度として設計されています。
まとめ|違いを知ったうえで、施設ごとの内容を確認してみてください
こども誰でも通園制度の主な対象は、保育所などに通っていない0歳6か月から満3歳未満のこどもです。
保護者が働いているかどうかは、利用条件ではありません。
利用できる時間は原則月10時間まで、利用料は1時間300円程度が国の標準です。
ただし、利用時間や料金、申請方法などは、自治体や施設によって異なることがあります。
また、一般型と余裕活用型の違いは、利用する家庭の条件ではなく、施設側の受け入れ方法にあります。
- 一般型
制度のための定員を、通常の在園児とは別に設けます。
- 余裕活用型
保育所などの空いている定員を活用します。
どちらの型かを確認することも大切ですが、実際に利用するときには、
- こどもがどこで過ごすのか
- どのように慣れていくのか
- 予約は取りやすいか
- 食事や親子通園はあるか
- キャンセル時はどのような扱いになるか
なども、施設に確認してみてください。
制度は始まったばかりです。
制度が始まって見えてきたこと【今後追記していければと思います】
こども誰でも通園制度は、全国での実施が始まったばかりです。
実際の利用のしやすさや、予約の取りやすさ、自治体や施設による違いなどについては、これから見えてくる部分もあると思います。
公式の検証結果や利用者向けの案内などを確認しながら、今後追記していければと思います。
▶ 保育園に入れなかったときに確認したい、預け先と子育て支援の選択肢
参考・出典
制度は自治体や施設によって運用が異なり、改定されることもあります。注意深くまとめていますが、誤りがあれば都度修正します。実際の利用にあたっては、お住まいの市区町村の窓口や、利用を希望する施設などの関係機関にご確認いただけますと安心です。
※この記事は、こども家庭庁が公表している資料をもとに整理しています。
ゆるきりん🦒
